私はあなたであり、あなたは私である

f:id:Beestalk:20170926234730j:plain

大越健介さん講演会

記憶に残るキャスター、NHK大越健介さんは間違いなく私にとってそんな存在だ。

 

ニュースに添えられる本質を浮き上がらせる一言。東日本大震災の特集などで見せてくれる温かな表情。この人の一言が聞きたい、そう思わせるキャスターはそうはいない。大越健介さんは、そんなお一人だ。

 

先週末、学区のPTAブロック家庭教育事業の講演会が開催された。演者はなんと、NHK大越健介さん。週末の予定を開けて、主人と二人でいそいそと出かけた。

 

講演のお題は「伝える力 ~自分で考え、自分の言葉で語る~」。
難しいお題だな・・・。

 

お話はユーモアを交えて、経験された政治記者、ワシントン特派員時代、NHKニュース9のニュースキャスター、そして今、世界中を駆け回り取材を続けている世界情勢についてまで。54歳、今なお現場主義を貫き、第一線で活躍されている大越さんのお話は尽きることなく、興味深く、示唆に富んだものだった。

 

様々な分野で活躍された方々にインタビューされることも多く、そのインタビューの中で必ず、共通してみなさんがおっしゃることがあると。

 

「素晴らしい人との出会いがあり、今自分がここにいんです」「周りの人に助けられて、今の自分がいます」と。自分の力だけで、ここにいるのではなく、周りの支えがあったからだとみなさんおっしゃるそうだ。

 

大越さんがおっしゃった言葉で印象深いものがある。「私はあなたであり。あなたは私である」。

 

人は互いに相照らし合う存在だと。リフレクト(反射、反響)しているかのように。人と人とのコミュニケーションはこれに尽きるのかもしれない。子どもと親。夫婦。友人。どの関係にも当てはめることが出来る。

 

周りの人の良い面を見出し、それを尊敬し、互いに協調しあう。そこから築き上げる人間関係は互いを成長させる。

 

人の嫌なところばかりが気になり、人の功績に嫉妬し、上手くいかないことを周りの環境のせいにしていたら、そこには負の連鎖が渦巻くばかり。悲しいかな、きっとココロは一人ぼっちのままだ。

 

次男の教室で行われていることに感心したことがある。毎日、朝の時間に「お友達のいいところ見つけ」をするのだという。当番になった子が発表するらしい。そして、一週間の1行日記は毎日誰かに、何かに「ありがとう」の感謝の気持ちを書く、というものだ。

 

次男の日記には「今日、○○くんと遊んだ。ありがとう」が永遠に続き、たまに「○○くん、おならをしてくれてありがとう」なんてものもある。可愛いものだ。この2年生の教室で行われている取り組みが、人間の基本なのではないだろうか。自分の周りのお友達を尊敬し、感謝する気持ちを持つ。

 

「私はあなたであり、あなたは私である」

2時間以上に及んだ講演会ではまだまだたくさんの素敵な生きるヒントをいただいた。書き出すときりがなく、長~くなってしまいそうなので、また別タイトルで触れたいと思う。

 

舞台から降り、私たちと同じ目線でお話をしてくれた大越さん。ますますファンになりました。

 

ずっと第一線でこの世の中をあの優しい眼差しで見つめてほしい。そして私たちに誰しもが持っている人間としての倫理観に照らし合わせた納得のいく落としどころを示唆してほしい。

 

あなたの言葉を待っているファンはたくさんいる。