話したくないことは話さなくていいんだ

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今日は母のココロのつぶやき

いつもより、10分遅い帰宅。
次男がドアを開ける音。
いつもの勢いがない。
涙をこらえる息づかい。

「お帰り~」の私の声に反応するかのように、涙をこらえる声。

すぐにパソコンの前から玄関へと向かう。

 

「お帰り」と、ぎゅっと抱きしめ、リビングまで手を引く。
もう、涙がこらえきれないようだ。

 

ランドセルを下ろさせ、そのまま抱きしめて膝の上に座らせる。
私の胸の中で、もう涙は止められなくなっていた。

 

背中をさすると溢れ出す涙。

ギュッと抱きしめて、落ち着くのを待つ。

 

数分泣いた後、気が済んだのかすくっと立ち上がり「神社に遊びに行ってくる」と。
「誰と遊ぶの?」と聞くと。いつものメンバーの名前を挙げる。

 

大丈夫。遊ぶお友達が沢山いるんだね。

宿題もやらずに、「少しゆっくりしてから出かければ?」の声を振り切り、外へと駆け出して行った。

 

心配はしていないけど、何があったかな・・・。

帰宅後は荒れた。全てに当たっていた。やっぱり何かあったんだろうな・・・。
兄は苦笑いしながら、弟にぶたれていた。ありがとうお兄ちゃん。

 

お風呂でいつものように学校のことなどを話してくれたが、泣いた理由には触れない。
私も触れないでおこう。

 

そうやって忘れられることならそれでいい。
忘れられず、話すこともできないくらいココロに重い石を抱え込んでいるのなら、ゆっくりとゆっくりと溶かせばいい。時間と父と母と兄の愛がきっと石を溶かしてくれる。

 

キミはキミのままでいいんだ。大丈夫。
お父さん、お母さん、お兄ちゃんは何時でも君の見方だよ。
それだけを伝え続けよう。

 

外に出れば嫌なことはある。
思い通りにいかないこともある。
打ちのめされることもあるだろう。

 

話すこともできないような重い石ころはゆっくりゆっくり溶かしていくしかないんだ。

 

お母さんはキミを信じているから大丈夫。
キミならどんなことだって乗り越えられる。

 

時間と愛が君を強くする。

初めて泣いて帰ってきたので、母はちょっと動揺したけど。
たぶん、次男は大丈夫。なんとなくそう確信している。