権力を振りかざしては人は逃げていく
週末の独裁者
土曜日。
子どもたちは学校がお休みで、朝からのんびりムード。
母は。
いつもと変わらぬ時間に起き、朝食を作り洗濯物を干して、掃除機をかける。
子どもたちは、そんな母を横目で見つつも、平日に録画したテレビ番組などをソファに寝そべり観ている。掃除機の音が騒音だと煙たがりながら・・・。
そんな子どもたちに対して、ピキピキピっと、切れないわけがなく。
「後、10分だよ。10分したらやらなければいけないことをやりなさい」って、ちょっと強めの口調。
そのうち、イライラと、
「ほら、今のうちにピアノの練習しておきなさい」
「野球のスパイク磨いたの?」
「サッカーの準備した?」
「玄関を履いて拭いてくれないかな」
掃除機をかけながら、子どもたちがやらなくてはいけないことを畳みかけるが・・・私の言葉などどこ吹く風の子どもたち。
もちろん、切れます。この段階で。
つかつかつかっと、子どもからテレビのリモコンを奪い取り。
パチリと、シャットダウン。
「ほら、やらなくちゃいけないことをやりなさい」
って、なるわけです。
毎週のごとく。
それでも、最近は自分たちの部屋で適当に遊んでいたりして。
そこで、締めの一発は
「何もできないなら、もうテレビは観ないこと」
「やることやらないなら、野球だって、サッカーだって行けないよ」
と・・・。
言いながら思うのです。
これって、独裁者。
自分の思い通りに動いてくれないと、権力を振りかざし思い通りにしようとする。
「言うことを聞かないと、痛い目にあうぞ」って。
それって、どこかで聞いた話。
いつもニュースで騒がしている、どこかで誰かがやっていること。
いかんいかん。
もっと、冷静に
ちゃんと、順を追って話して聞かさなくては。
しっかり話して、双方がなっとくすれば動いてくれるもの。
どなったり、命令しただけでは、子どもだって動かない。
縛り付けて、強制的にやらせたのでは何時までたっても同じことの繰り返し。
そのうち、耳をふさいで逃げていくだけ。
互いに成長しないのである。
と、一人で反省するのである。
家庭内は社会の縮図。
子どもたちがいつか、誰かにこんな言葉を浴びせないように。
話して理解しあえる仲でいたいな。
いつでも、どこでも、誰とでも。